「ふくらはぎ」は、スポーツの場面だけではなく、普段の生活でも "筋肉の状態" がわかりやすい場所です。
たとえば、
・ヒールを長時間はいていると パンパンになる
・ずっと座ったり立っていると むくんでくる
・長時間歩いたり、トレーニングの後に硬くなる
また、寒さでふくらはぎが固くなり、柔軟性が無くなることでアキレス腱に負担をかけてしまうこともあります。(アキレス腱損傷など)
今回は、それぞれのケア・予防のための「ふくらはぎ」のストレッチを解説していきます。
ふくらはぎの筋肉について
始めに、ふくらはぎの筋肉についてざっと解説します。
ふくらはぎは、「下腿三頭筋(かたいさんとうきん)」という名前の筋肉です。下腿三頭筋は、2つの層からできています。
つま先立ちをしたときに、ふくらはぎがキュッと盛り上がる部分が「腓腹筋(ひふくきん)」。その腓腹筋の奥に隠れているのが「ヒラメ筋」です。
下の図は、左足側に「腓腹筋」、右足側に「ヒラメ筋」を描いたものです。
「起始」 「停止」とあるのは、筋肉の付着部、「端」と「端」のことです。この2つの距離を離すことで ストレッチ になります。
【起始】
腓腹筋・・・膝関節の上の骨
ヒラメ筋・・膝関節の下の骨
【停止】
腓腹筋・ヒラメ筋共に、足首の下の骨
※ちなみに、筋肉の下半分、白っぽい部分が「アキレス腱」です。
ストレッチのしくみ
腓腹筋とヒラメ筋、筋肉の付き方が違う ということは、ストレッチのしかたも少し異なります。それぞれ解説していきます。
腓腹筋
腓腹筋は、足首と膝関節をまたいで付いているため、
足首を曲げ、膝は伸ばす
ことで、フルにストレッチができます。
ヒラメ筋
ヒラメ筋は、足首だけを またいで付いているため、
足首を曲げる
だけでストレッチできます。
さらに、膝も同時に曲げることで、足首がさらに曲げやすくなり、より強いストレッチをかけることができます。
ストレッチの具体例
それでは、ストレッチの具体例を 2パターンご紹介します。
ここでも、腓腹筋・ヒラメ筋それぞれに効く方法を解説します。
床(フラット面)で行うストレッチ
どこでもできるストレッチ方法です。片足ずつ交互に行います。
- 足を前後に開く (後ろに引いた足のふくらはぎが伸びます)
- 後足のかかと ・・・ 床にしっかりつける
- 前足の膝 ・・・ 少しずつ曲げていく
そして、腓腹筋をメインに伸ばしたい時は 膝を伸ばし、
ヒラメ筋をメインに伸ばしたい時は 膝を曲げていきます。
足の前後の「幅」を変えることで、ストレッチの強度が調整できます。
前後幅を広げるほど、強度が上がります。
注意点として、後ろに引いた足の「かかと」が床から離れると、ストレッチ効果が半減してしまいます。
かかとが床から離れない範囲で行うことがポイントです。
台(段差)を利用したストレッチ
台(段差)を利用すると、より効果的にストレッチをかけることができます。片足ずつ交互に行います。
- 台の上に立つ
- ストレッチする足を後ろへ引く(足の裏 2/3程度を 台から外す)
- かかとを、ゆっくりおろしていく
そして、腓腹筋をメインに伸ばしたい時は 膝を伸ばし、
ヒラメ筋をメインに伸ばしたい時は 膝を少し曲げます。
かかとを左右バランス良くまっすぐ下におろしていくことで、ふくらはぎ全体をストレッチすることができます。