「トレーニングは好きだけど、腹筋は弱くて、苦手・・・」という声を、よく耳にします。
腹筋自体の力が本当に弱い場合もありますが、実は腹筋の力は十分持っている、という方も意外と多くいらっしゃいます。
なぜ腹筋が苦手と感じるのか?
腹筋の力は十分あるのに、なぜ「自分は腹筋が弱い、苦手」と感じるのか?
2つ、理由が考えられます。
①腹筋の ‘効かせ方’ が上手すぎる
②拮抗筋が腹筋の収縮をブロックしている
効かせ方が上手すぎる
数少ないパターンですが、とても丁寧にしっかり効かせながら動作されている方がいます。
当事者は、その自覚は無くて、「回数を多くできないから腹筋が弱い」と思い込んでいることが多いです。
1つ1つ丁寧に追い込めば、回数が出来なくて当然です。
20回、30回・・・と連続して行いたい場合は、手を抜いて(腹筋以外の力も借りながら)実施すれば可能です。
拮抗筋がブロックしている
本当は腹筋の力があるのに苦手、というほとんどの方がこのパターンに該当します。
拮抗筋が原因で、腹筋が収縮しづらくなっているのです。
以下、拮抗筋のしくみから、もう少し詳しくみていきましょう。
「主働筋」と「拮抗筋」
多くの筋肉は、メインの働きをする「主働筋」と、動作のコントロールをしてくれる「拮抗筋」が ‘対’ となって動作します。
例えば、力こぶを作る、という動作。
この時の主働筋は「上腕二頭筋」で、ギュッと収縮することにより力こぶができます。
そして、拮抗筋となるのが「上腕三頭筋」。伸張しながら、主働筋の過剰収縮を止めるなどのコントロールをします。
上の図は「イメージ」です。
Aの筋肉が主働筋となると、Bの筋肉は拮抗筋として伸張し、Aのコントロールをします。 ※図 左
反対に、Bの筋肉が主働筋となると、Aの筋肉は拮抗筋として伸張し、Bのコントロールをします。 ※図 右
多くの筋肉の動作には、相棒となる「拮抗筋」の働きが重要だということがわかります。
ポイントは「腰」の筋肉を緩めること
ところが、その相棒の拮抗筋が上手く働かなくなったらどうなるでしょうか?
腹筋と ‘対’ になっているのは「腰(下背)」の筋肉です。
腰がとても硬くなってしまうと、腹筋のコントロールどころか腹筋の「動作自体」をブロックしてしまうことに繋がります。
腹筋を収縮させたくても、腰が硬くて伸びない → 腹筋が思うように動かない、という現象が起きます。
対策としては、腹筋の前に「腰」のストレッチを行うこと。少しでも良いので、腰の過緊張を取ってみてください。
腹筋のやりやすさ、効き方が変わってくると思います。