単関節動作のトレーニングでは、最も負荷がかかる位置を変えることができます。
例えば、「スタート付近が一番キツくなるようにする」「最大収縮時に負荷をMAXでかける」「(扱う重さを変えずに)負荷を軽くする」といったことです。
それらは、姿勢の取り方で調整ができます。
てこの原理について
まずは、この考え方の基になっている「てこの原理」について、簡単に説明していきましょう。
てこの原理、といっても難しいことではなく、「支点と重りの垂線の距離が遠くなるほど負荷がかかる」ことをトレーニングに適応して考えるだけです。
「アームカール」を例に挙げてみましょう。
支点=肘関節 / 重り=バーベル
A 最大収縮時の位置
B 中間地点
C 最大伸張時の位置
黄色いライン(支点の垂線)からの距離を見ます。
AとCの垂線は近く、Bの垂線が最も遠いことがわかります。
支点と重りの垂線の位置が離れるほど重くなりますから、アームカール動作では動作の中間地点Bの位置、つまり床と平行になった位置で最もきつくなることがわかります。
例① スタート付近が一番キツくなるようにする
それでは、初動負荷にする方法を、アームカールを例に見ていきましょう。
図は、肘関節 屈曲45°の位置で、負荷がMAXになるように調整したフォームです。
(角度はあくまでも一例です)
アームカールの場合、プリチャーカール台などを利用して調整ができます。
台の角度が広く、スタートポジションが床と平行に近いほど、スタートに近い位置で最大負荷をかけることができます。
▶アームカールのトレーニング詳細は こちら
▶マシンアームカールのトレーニング詳細は こちら
例② 最大収縮時に負荷をMAXでかける
次に、筋肉を最大収縮させている時に最大負荷をかける、という方法をサイドレイズで見ていきましょう。
図は、三角筋に効かせる動作において、最大収縮時に負荷がMAXになるよう調整したフォームです。
三角筋に効かせるためのサイドレイズフォームでは、腕が床と平行になる前に最大収縮を迎えます。
身体を横に傾けることで、最大収縮時に床と平行になるよう姿勢を調整すれば、肩関節に負担をかけることなく収縮のピークと負荷のピークを合わせることができます。
「ダンベルが軽いものしかない」など、もう少し刺激を加えたい時に応用できるかと思います。
▶サイドレイズのトレーニング詳細は こちら
例③ 扱う重さを変えずに負荷を軽くする
例②とは逆に、「軽いダンベルが無くてトレーニングできない」「重さを1つ上げると急にきつくなる」といった場合の対処法を見ていきましょう。
図は、キックバックで、負荷の掛かり方を調整したフォームです。
基本フォームは「右」の強になる姿勢です。上腕三頭筋の収縮のピークと負荷のピークが合っています。
このピークををあえてずらす(上体を起こす)ことで、キツさを下げることができます。
上体が上がるほど楽になりますので、ご自身に合った負荷をコントロールすることが可能です。
▶キックバックのトレーニング詳細は こちら