かっこいい身体を作る、また特定の筋肉を強化するための「筋トレ」。
そして、歩く・しゃがむ・持つ・動かすといった「日常生活」での動作や、サッカー・テニス・水泳・スキーといった「スポーツ(競技)」。 (※ボディビル系の競技は除く)
身体の「動き方」は全く異なる ‘正反対’ の特徴を持っています。
・筋トレ:カクカクとしたロボットのような動き
・日常生活・スポーツ競技:なめらかな動き
動きの違い
「押す動作」を例に、違いを見ていきましょう。
<筋トレの例>
チェストプレス
胸を張った姿勢を維持し、腕だけが「前」に出る。(肩は後ろへ引いたまま)
<日常生活の例>
物体を押す、という動作。
背中は丸まり、腕も肩も「前」に出る。
筋トレ動作の特徴
●使う筋肉が限定されている
筋トレでは、ターゲットにしている部位がはっきりしています。
例:胸板を厚くしたい → 大胸筋
お尻をキュッと引き締めたい → 大殿筋
太ももの前 の力をつけたい → 大腿四頭筋
目的達成のためには、ターゲットの筋肉に「いかにがんばってもらうか?」が重要となります。
●ターゲットの筋肉以外の動きを封じ込める
ターゲットの筋肉がしっかり働くためには、それ以外の筋肉の力をできるだけ使わないようにします。そのためには姿勢を「固定」し、動作コントロールをします。
結果として、ロボットのようなカクカクッとした動きになります。
日常生活動作・スポーツ競技動作の特徴
●体中の筋肉をフル活用する
各筋肉が協力して動作します。
例:重い物体を「押す」
→ 腰を落として重心を下げ、脚・腕・背など全身の筋肉をフル活用して押します。
●各筋肉が連動している
全身の筋肉を より良くフル活用させるためには、各筋肉の連係プレーが重要です。
(連携体制が優れていると、長時間の動作や、小さな力で大きなパワーを生み出すことが可能になります。)
結果として、なめらかな身体の動きに繋がります。
筋トレの注意点
私たちの「基本」は、なめらかな動きです。
筋トレは、私たちの身体を良い方向にステップアップさせてくれるものですが、動作が特殊である という認識は必要です。
動作の違いを認識せず、やみくもに筋トレに集中しすぎた結果、身体に痛みが生じたりスポーツ競技のパフォーマンスが落ちる、といったこともよくあります。
目標・目的に合わせ、筋トレを上手く取り入れながらトレーニングライフを楽しんでいただけたら幸いです。