トレーニングの「前」に行うストレッチと、トレーニングの「後」に行うストレッチ。

違いは何となくは知っているけれど、詳しくはわからない・・・という方は、意外と多いのではないでしょうか?

今回はこの2つの違いを、わかりやすく整理していきたいと思います。

ストレッチの「目的」

ストレッチの目的は次の通りです。

・トレーニングの:トレーニングしやすい状態をつくる

・トレーニングの:疲労回復を促す

日常生活に比べ、トレーニングは動きも刺激も大きくなります。ストレッチは、その「差」を埋めてくれる大切な役割を担います。

トレーニング「前」のストレッチ

それでは、トレーニングのに行うストレッチについて、具体的にみていきましょう。

目的は「トレーニングしやすい状態をつくる」こと。

トレーニング中のケガのリスクを下げたり、またパフォーマンスを十分発揮できるように準備します。

そのためには、筋肉だけでなく、呼吸循環器、関節可動域、心の状態なども含めて準備が必要です。

呼吸循環器の適応

トレーニング内容に合わせて、心拍数・呼吸数・血流などを少しずつ上げていきます。

トレーニングがハードになるほど多くの酸素を必要とし、血流量が増えていきます。

筋肉などの柔軟性・弾性の適応

トレーニング内容に合わせて、筋肉や健などの伸び幅、元に戻る力を上げていきます。

トレーニング動作が大きくなるほど、筋肉や血管・神経・健などの柔軟性・弾性が必要となります。

トレーニングでいきなり大きく引き伸ばしてケガをする、ということが無いように十分準備をしましょう。

関節可動域の適応

トレーニング内容に合わせて、関節の動きを大きくしていきます。

トレーニング動作が大きくなるほど、関節周りの筋肉の連動性・バランスの良い柔軟性が必要となります。

筋バランスの確認・改善

身体の「癖(くせ)」を確認し、改善していきます。

例えば、「肩がこる・腰が張りやすい・股関節が硬い・硬さや動きやすさが左右で違う」など、日々の変化を確認し、動きにくいところがあれば少しでも良くなるよう改善していきます。

モチベーションの向上

ココロの状態も、意外と重要です。

ストレッチの終盤に向け、リラックスするのではなく、気持ちをトレーニングに集中させていきましょう。

ストレッチの例

ゆっくり・じっくりとしたストレッチから、徐々に動きのあるストレッチ動作を増やしていきます。

そして、特定の筋肉を伸ばす種目だけでなく、たくさんの筋肉を同時に動かす種目も取り入れます。

ゆっくり・じっくりとしたストレッチの例として「前屈」

筋肉が伸びたところで「10秒キープ」する、といった方法です。また前屈は、特定の筋肉(ももの後ろ)をターゲットにしています。

動きのあるストレッチの例として「肩回し」

肩をぐるぐる動かすことで、肩回りの筋肉を同時にまとめてストレッチしていきます。

身体が少し温まってくれば、準備完了です!

トレーニング「後」のストレッチ

トレーニングのに行うストレッチについて、具体的にみていきましょう。

目的は「疲労回復を促す」こと。

トレーニング中の疲れを早く回復できるように整えていきます。

特に、身体を酷使した時には、丁寧なケアが必要です。

筋肉・心のリラックス

疲れた筋肉は、張りが出て、とても緊張しています。

また、ココロもトレーニング時は集中し、かなり張り詰めていたと思います。

徐々に張りや緊張をほぐし、回復を促していきます。

筋バランスの修正

トレーニングでは、偏った筋肉の使い方をすることが多いです。

特に、トレーニングを「2分割」「3分割」(今日は胸の日、背中の日・・・)などで行っている場合は、筋肉の疲労が大きく偏りがちです。日常生活への支障をできるだけ減らせるよう、筋バランスを修正していきましょう。

ストレッチの例

トレーニング後のストレッチでは、高ぶっている身体と心を少しずつ安定させていきます。

動きのあるストレッチから、徐々に静かなストレッチへと移行していきます。

トレーニング終了直後に 緊張が強い・心拍数が高い場合は、軽いウォーキングなどのクールダウンを挟み、心身を落ち着かせてからストレッチへと移行してください。