
背中を鍛える代表的なマシン「ラットプルダウン」。
しかし、「腕ばかり疲れる…」「どこに効いているのか分からない…」という声も多く聞かれます。
今回は、背中に効かせるためのポイントを、初心者の方にもわかりやすいよう5つに絞って解説します。

1 ももパッドの「高さ」調整
2 バーを持つ「幅」
3 バーを落とす「位置」
4 動作範囲
5 呼吸
それでは順に見ていきましょう。
マシン設定のポイント(1つ)

ポイント1 ももパッドの「高さ」調整:ももとパッドをピタッと合わせる
下半身をしっかり固定すると、フォームが安定して背中に効かせやすくなります。
まずはシートに座り、以下の姿勢をとります。
- バーの真下に座る
- 脚を腰幅程度に開く
- 膝は90度弱に曲げる
- 足の裏全体を床につける
そして、パッドが太ももにピタッと着くよう高さを調整します。
※ 補足:バーの高さ調整
マシンによっては、バーの高さ調整が可能なタイプもあります。
その場合、座った状態で「指先がバーに軽く触れるくらい」の高さに調整します。動作範囲が広がり、トレーニング効果もUPします。
動作中のポイント(4つ)

ポイント2 バーを持つ幅:やや広め(自然なバンザイの幅)
バーを持つ「幅」はとても重要です。広すぎたり狭すぎたりすると、腕の力が優位になり背中が効きづらくなります。
目安は、自然にバンザイをしたときの手の位置。
この幅で持つことで、無理なく背中に負荷をかけやすくなります。
ポイント3 バーを落とす位置:鎖骨とバストトップの間
バーは身体の「前」、鎖骨とバストトップの中間あたりに向かって引き寄せます。
このときに、上体を少し後ろに倒しつつ、胸を張り続けることで背中の筋肉をしっかり使うことができます。
「胸でバーを迎えにいくイメージ」で動作すると、胸の張りを維持しやすくなります。
ポイント4 動作範囲:負荷を感じられる範囲でコントロール
「どこまでバーを引き寄せたらよいか?」も重要です。
バーを下ろすのは、背中がキュッと締まる感覚がきたところまで。目安は、「胸からこぶし1つ分ほど離れたところ」です。
無理に、胸につくまでバーを下ろそうとすると、背中ではなく腕の力が大きく働いてしまいます。
また、バーを戻すときは、「肘」が伸び切る手前まで。ゆっくりコントロールしながらバーを戻すことで、背中の筋肉がしっかり働いてくれます。
ポイント5 呼吸:引くときに「吸う」
- バーを引くとき → 息を「吸う」
- 戻すとき → 息を「吐く」
バーを引くときにしっかり吸うと、胸が開き、背中の筋肉が収縮しやすくなります。
呼吸と動作を合わせることで、トレーニング効果もより高まります。
おまけ:頭の後ろに引く方法について(ビハインドネック)

ラットプルダウンには、バーを頭の「後ろ」に引く「ビハインドネック」という方法もあります。
このフォームは、肩関節への負担が大きく、基本的にはあまりおすすめしませんが、「後ろに引いた方が背中に効く!」という方もいます。
ビハインドネックで行う際は、以下の点に注意してください。
- 上体を少し「前傾」させる
- 頭の後ろを「なでる」ようにバーを下ろす ※頭とバーを離さない!
- バーを下ろす位置は、「襟足」あたりまで
※肩に痛みや違和感を感じる方は、ビハインドネックではなく「身体の前」に引く方法で行ってください。